一般社団法人精神科領域での感染制御を考える会は、精神科領域でのより良い感染制御を目指し、意見交換の場として、2008年12月に発足し、講演会を行っております。

第3回セミナーQ&A

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第3回 精神科感染制御セミナー 質疑応答

《平成27年7月25日(土) 》
☆ 『講演1 精神科病院における感染対策の特殊性と戦略』 山内勇人 10:00~11:00

☆ 『講演2 『精神科病院での抗菌薬適正使用』 齋木良太  11:00~12:00
※抗菌薬使用について困っていることやエピソードは?

Q:尿路感染症を疑ってクラビットを出されることが多い。必要時に効果がなくなっており対象を調べず何でも出してしまう医者が多い。がどうしているの?
A:*クラビット、グリスビットを出している現状有り。症状が治まっても再発する患者が多いのも事実。精神科の特徴でもあり特に精神科の医者が多い。
医者になぜその処方なのか問うことが大事。
*クラビットは結核にも効くといわれておりいざ効かなくなった時用に処方を控えてもらう。また、患者の状態を診てから予測することが大事。
発熱したらクラビットを処方する文化を変えていく。

☆ 講演3 精神科病院におけるノロウイルス対策 13:00~15:00
①基礎講座 高濱正和
②ビデオ学習 二瓶比呂志
③意見交換  加賀田幸子 金成千鶴 白浜美保子

③意見交換会

Q:アウトブレイクで病棟閉鎖をする場合、その判断基準は誰が行いますか?
A:白浜…ICD(院長)・ICC副委員長の2名で判断している。すべてICDが判断する。誰が判断してもICNに必ず報告がある。また臨時ICCが開催される。
金成…土日は病棟師長が判断している
平川病院…ノロウイルスの対応のDVDは対策の標準化
高濱…OT/PTに参加の有無、入院の受け入れについて判断している。

Q:ノロウイルスなどの疑いで、ホールで嘔吐し、衣類汚染した場合患者の更衣や入浴はどのように行ったらよいか
A:二瓶…家族には衣類の脱色について説明する。

Q:患者の靴はどうしていますか?
A:消毒できる物は消毒している。できない場合は家族に説明し破棄している

Q:DVDの中にもあったように、靴底も消毒していますか?患者も同じように消毒していますか?
A:ホールより…患者も同じようにペーパーの上を歩いています。

Q:ガウンを患者に着せていますか?他の患者への対応は?
A:ホールより…靴はスリッパを持参し、履き替えてもらい移動している。
ホールより…どうしても頭に手がいってしまうため、シャワーキャップをかぶらせます。髪の毛を触らないようにしている。

Q:嘔吐しても日中は入浴できるが、夜間帯はどのようにしているのか。
A:ホールより…夜間帯でも入浴している
A:本当は、シャワーが良いが、夜間帯は難しい、嘔吐があった場合は応援をたのめるように、応援体制を組むようにしている。

Q:衣類の消毒で次亜塩素酸Na以外のものを使用しているところはありますか?個人の衣類の取扱いはどうしていますか?
A:私物はリネン業者に依頼している。業者との取り決めでそのままクリーニングに出している。嘔吐物が付着していてもOK
A:家族に廃棄処分をお願いしている。
A:入院時に脱色してしまうことを説明している。衣類を持参されない患者様の場合困っている。

Q:ノロ対策をいつまで対策をしていますか?
A:時期に関係なく、嘔吐などの処理はノロ対応同様の対応をしています。
A:時期に関係なく検査も実施している

Q:職員感染者発生時の就業制限はどうされているのか
A: 本人は5日、家族は3日(発症から)
A:症状消失後3日 栄養科の職員はPCR陰性まで出勤停止
A:症状消失後、業務内容の変更、食事介は禁止する。栄養科の職員はPCRで確認している。
A:誰がどこで排泄するかが問題。感染者専用のトイレを作っている。専用とする。
A:有形便になったら出勤

Q:介護施設などで次亜塩素酸Na以外のものを使用していると聞いたが、効果はあるのか
A:効果があるのかどうかの判断は難しい。

Q:ノロウイルスの検査の場合、PCRか簡易キットどちらを使用しているのか
A:簡易キットを使用している
A:状況に応じて対応している。簡易検査で陰性の場合でも臨床判断で対策をとるケースもある。
A:ノロウイルス以外でも、検査で陰性でも症状定義を決めて症候群として対応している

Q:PCRを実施しなくても対応できますか
A:1例目陰性でも72時間の患者の状態を観察し、広がりを見る。72時間以内の新たな患者が発生しなければそのまま経過観察する。暴露リスクを考え観察を継続する。

 

Q:嘔吐した患者の入浴のタイミングはいつですか。入浴してもすぐの嘔吐されてしまう。
A:タイミングを考えるのは難しいが、入浴後嘔吐されても大丈夫なにケアをしている。

Q:1回嘔吐してシャワー浴に耐えられるのか。
A:身体の清潔か患者の状態を見るかは、フィジカルアセスメントが大切。

 

☆講演4 精神科病院におけるインフルエンザ対策~シンポジウム~  15:30~17:30
①フェーズ別感染対策について 山本由紀
②当施設における予防内服について 栗原康雄
③患者さんへの教育で協力を得る 加藤紘子
④慢性期病棟でのインフルエンザウイルス 感染症アウトブレイクの経験  西村和子

Q:インフルエンザ何名になったら閉鎖にするの?
また、開放病棟の制限は?カギを締める場合はどの様な手続きをするの?
A:3日間で3例発症および確定診断が出た場合に閉鎖している。

 

Q:説明しても患者は医師の指示を守らない場合はどうするの?
A:迷惑行為とし隔離する。

Q:病棟に対してはどうするの?
A:個別に対応しお願いして協力を得る。しっかりと説明をすることが大事。決まりですからとは言えない。

Q:潜伏期やインフルエンザになっていない患者に対してはどう対応するの?
A:精神保健福祉法が厳しくなっているので法律に基づいて予防内服をする。
あらかじめ予防内服の取り決めをしておくと良い。
開放病棟であれば入り口を閉鎖してもNs室のドアを開けておくなどの対応を考える。

Q:予防内服の同意書はどうしているの?
A: *飲んだらカルテに記載している
*説明をして同意が取れたら内服してもらう。この場合記載なし
*同意書あり
*サインできない患者もいるために同意書はとっていない。家族に連絡を取り、了解を得る。看護記録にその旨を記載している。
*タミフルを投与して錯乱状態になったケースがあるのと、添付文書において15歳未満10歳以下は異常行動ありとあり、異常行動が出た場合同意書があったほうが良いと考えた。
*感染症学会では予防投与を推奨している。適応年齢や適応者をしっかりと見極め予防投与をしっかり考えていく。ただし、保証はない。職員は適応外なので各施設で考慮していく。

Q:インフルエンザ発症し、応援体制によって手伝いに行く場合はどうするの?
A:同意書を取って、ウイルスが体内に入る前に予防内服をしていくことを考える。
リスクが高いため、予防投与を開始する。暴露した場合は治療投与をしていく。
前もって職員に2CAP渡しておく。

Q:予防投与を1日1CAP10日間しているが10日間を5日間に短縮した根拠は何か?
A:3シーズン見て潜伏期2時間超えた場合または10日間で飲み忘れがあるより5日間と
して考える。
早めに投与しないと意味がない。最後の人が発症して2日間発症がなければOK
予防投与すると発症が遅れる可能性あり、厚生省が推奨しているには7~10日が適用となっている。

Q:予防投与に関して消極的になることがあり、またはワクチンを打っているからと拒否される場合があり。
A:予防投与は保険適応外である。その年により効果が出るときと出ないときがある。
ワクチンの有効は20%と言われている。保険適応外の場合は同意書を取る必要がある。

☆意見交換会 17:00~18:00
Q:加算1を取っているとのことだがスタッフのメンバーの人数は?
A:ICD 内科常勤医1名、ICN 1名、ICT 他職種で10名(医師、看護師、薬剤師、検査技師、作業療法士、栄養士、事務)、リンク会
※ ICTとリンク会で合同会議を実施している。必要時主要メンバーで活動実施している。
Q:どのような活動しているか?
A:チームで役割分担し、主に感染症・抗菌薬について活動実施している。

Q:サーベイランスはどうしているか?
A:加算を取っていると第3機関と連携しているかが問われる。外部の検査業者でサーベイランスデータを出していれば良い。

Q:夜勤者が帰った時にインフルエンザがアウトブレイクしてしまった。その時に予防内服はどうするか?
A:20時間以内に内服するか、届ける。

Q:タミフルの備蓄はどのくらいしているか?
A:1病棟の1回分、1病棟50名として5CAPで2病棟分300CAP
使用しなかった分は業者に返却している。
週末分のみ100CAP準備している

Q:職員や家族がインフルエンザ発症時の就業制限はどうしているか?
A:解熱して3日間
解熱して2日間
発症してから5日間
完全解熱して丸1日経過してから5日間休めると良いが難しいためその前に出勤してき
たら検査キットで検査をしてから勤務する。
解熱剤使用せず2日間経過してから勤務開始。呼吸器症状があれば1週間はマスク着用
とする。

Q:HIVについて新患者への対応はどうしているか?
A:スクリーニングはしていない。精神科医だけなので。
受け入れはしている。迅速検査キットは導入している。

Q:認知症の病棟で日常の食器(おやつなどのコップなど)の扱いについてどうしているか?
A:吐物が付着してなければ通常の洗浄でよい。唾液では感染しない。食事前の手洗いでウイルスは激減するために手洗いの習慣をつけることが重要。
爪切りを実施することも大事。

 

《平成27年7月26日(日)》
☆ 講演5 疥癬対策の考え方   牧上久仁子            9:30~11:00

Q:皮膚についたメスが皮膚についたときにどの位で潜るの?
A:数分5~15分で潜り込む。幼虫は歩き回り成虫になって潜り込む。

Q:爪に発症した場合ローションは効果あるのか?内服の方がよいのか?
A:爪疥癬ではローションの効果はない。爪を削るか、密閉して柔らかくなってから削る。

Q:実体顕微鏡と学習用顕微鏡とどちらが良いのか?
A:見分けるだけであれば学習用顕微鏡でよい。

Q:スミスリンローションは1週間に1回で12時間後洗い流すとあるが時間を守らなければならないのか?
A:洗い流す時間はこだわらなくて良い。6時間でもよい。

Q:洗い流すのに石鹸を使用して良いのか?
A:使用して良い。

Q:シャワーはどの位の頻度が良いのか?
A:通常で構わない。角化型であれば症状がある部分を中心に毎日洗っても良い。

Q:衣類の交換は?
A:通常で良い。

Q:認知症病棟で12月の入院で5月に発症し原因がわからなかった。気温上昇で活発することはあるのか?
A:人体の表面に住んでいるので気温は関係ない。皮膚から離れると卵は産めない。乾燥に弱く、人体・湿度・温度が整った環境を好む。

Q:周期的に発症するが、どこかに残っているの?どういう経路でくるの?
A:30年周期で大発生している。痒みを訴えない患者や観察対象以外の患者が要注意。

☆ 講演6 精神科病院における口腔ケア対策 島田拓矢        11:00~12:00
Q:急性期・介護施設・精神科では口腔ケアの文化が悪い、コストが取れない、人員配置が出来ない、導入する方法はあるか?
A:スタッフに怖い・抵抗があるなどの反応があり、勉強会や研修会などに参加して知識を得る。また、専門者を呼ぶ。

Q:口腔ケアは診療報酬上、一般・精神科では取れないの?
A:がん患者など治療上必要な場合に限り取れる。

Q:看護師ではどこまで実施すれば良いの?
A:口腔内を乾燥させない、口腔内の湿潤環境を整え柔らかくして行う。歯科医でも乾燥して
汚れが付着している場合は15分程度かかるため、日常から乾燥を防ぐ。
無理せず専門者を利用する。

Q:嚥下評価にちがいはあるの?
A;嚥下機能について変わりはないが、口腔内が汚染されているための誤嚥性肺炎者が多いようである。

 

☆ 講演7 精神科病院における結核感染対策             13:00~15:00
①結核の感染対策   鈴木健一
②結核集団感染を経験して  伊藤ともみ
Q:半年ごとにX-Pを取って対応しての結果アウトブレイクした事例であったが、今後はど
うしたらよいか?
A:入院時疑う事例はX-PだけではなくCTまで撮る。入院前のHPの画像を持参していた
だき比較読影する。行政に依頼をする。
Q:入院時結核菌の培養結果求めるが、塗沫検査まで出してもらう方がよいのか?
A:既往があれば出してもらう。

Q:空調関係で個室でも他の病室とつながっているか確認をした方が良いのか?
A:窓を開ける、空調を止め空気の流れを止めることが重要。

Q:定期検診は何回するの?読影はどうしているの?
A:基本年2回。呼吸器科の医師または放射線科へ依頼している

Q:塗沫陽性者は隔離するの?
A:マスク着用してもらい個室へ、咳や痰がでる患者で安静が保てない患者では精神保健福
祉法に基づき施錠する。
同定検査で陽性と出た場合隔離対象とする。呼吸器科の医師に依頼するとともに胸部
X-Pを取る。
Q:PCRの結果がわかるまで隔離する?
A:基本的には咳、痰が続いている患者は個室に管理するが隔離をするかどうかは、精神保健福祉法とのかねあいで難しい
Q:画像が疑わしい場合や陰性の場合は気管支鏡まで実施するの?
A:専門医に相談する。精神症状によるが必要に応じて実施してもらう。

Q:接触者や入職者の検診時にはIGRAを実施しているの?
A:入職者に実施している。接触者検診は保健所と相談して実施している。
入院患者の接触者検診は保健所の負担で、職員の接触者検診は病院負担でおこなっている。
Q:入職者のT-スポットの検査を40歳で区切った理由は?
A:医療機関をいろいろわたり歩くと、結核に暴露されることもあるのではということで区切っている。陽性あるいは疑陽性の場合、潜在性結核として予防内服をおこなうのかについては、保健所と相談しながら実施する。潜在性結核の治療に関しては意見がいろいろある。

意見:本日の報告を聞くまでは、結核対策をしっかりおこなっていなかったのではないかと思っていたが、3か月ごとにしっかり胸部X-Pもとっていたということだった。ふりかえると、今後、どうしていくか考えていく必要がある。
意見:私も正解が見つからず困っていた。入院時に少しでも変化があったらCTをとってしまうのもひとつの手かなと思う。また比較読影をしていることが重要。ホームレスなどの経済的にめぐまれない人々、病院受診できない人々を行政でなんとかしてほしいと考えている。

Q:MRSA、緑膿菌など持ち込みかどうかを調べているが、入院時、少しでも疑わしい人に関しては、塗沫、培養くらいは実施したほうが良いのか?
A:結核の既往があり、治療歴がはっきりしていなければ、喀痰の検査を提出する。
空調の関係では、怖い経験をしている。オムツ交換の時に一斉に換気扇を回すが、換気扇を回すと部屋が少し陰圧になってしまっていた。そこが悪かったのではないかと言われている。よく、わからない時は、空調を切って窓を開けて実施するのが良いと思われる。

 

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